OpenTelemetryを統合したログ管理
ファイルログと同様に、OpenTelemetryログは重要なイベント、ステータス情報、およびエラーメッセージを記録し、開発者や運用チームがアプリケーションの動作を理解しトラブルシューティングを行うのに役立ちます。ただし、OpenTelemetryログは標準化されたログフォーマットを採用しているため、ログの解析や分析、処理が容易です。さらに、OpenTelemetryログはTrace ID、タグ、属性などの豊富なコンテキスト情報をレコードに追加することをサポートしています。
本ページでは、EMQXとOpenTelemetryログハンドラーを統合して高度なログ管理を実現するための包括的なガイドを提供します。OpenTelemetry Collectorのセットアップ、EMQXでのOpenTelemetryログハンドラーの設定とログのエクスポート、ログの過負荷管理について説明します。この統合により、EMQXのログイベントをOpenTelemetryログデータモデルに沿ってフォーマットし、設定済みのOpenTelemetry Collectorまたはバックエンドシステムにエクスポートでき、監視とデバッグ能力が向上します。
OpenTelemetryログを直接Dynatraceにエクスポートする方法については、OpenTelemetryとDynatraceの統合をご覧ください。
OpenTelemetry Collectorのセットアップ
EMQXのOpenTelemetryログを有効にする前に、OpenTelemetry CollectorおよびOpenTelemetry対応のログ収集システムをデプロイし設定する必要があります。本ガイドでは、OpenTelemetry Collectorのデプロイと、デバッグエクスポーターを使用してログをstdoutにリダイレクトする設定方法を説明します。
otel-logs-collector-config.yamlという名前でOpenTelemetry Collectorの設定ファイルを作成します。yamlreceivers: otlp: protocols: grpc: exporters: logging: verbosity: detailed processors: batch: extensions: health_check: service: extensions: [health_check] pipelines: logs: receivers: [otlp] processors: [batch] exporters: [logging]同じディレクトリにDocker Composeファイル
docker-compose-otel-logs.yamlを作成します。yamlversion: '3.9' services: # Collector otel-collector: image: otel/opentelemetry-collector:0.90.0 restart: always command: ["--config=/etc/otel-collector-config.yaml", "${OTELCOL_ARGS}"] volumes: - ./otel-logs-collector-config.yaml:/etc/otel-collector-config.yaml ports: - "13133:13133" # ヘルスチェック拡張 - "4317:4317" # OTLP gRPCレシーバーDocker Composeを使ってCollectorを起動します。
bashdocker compose -f docker-compose-otel-logs.yaml up起動後、OpenTelemetry Collectorはhttp://localhost:4317でアクセス可能になります。
EMQXでOpenTelemetryログハンドラーを有効化
EMQXがローカルで動作していることを前提に、
cluster.hoconファイルに以下の設定を追加します。bashopentelemetry { exporter { endpoint = "http://localhost:4317" headers { authorization = ""Basic dXNlcjpwYXNzd29yZA==" } } logs {enable = true, level = warning} }また、ダッシュボードの Management -> Monitoring にある Integration タブからOpenTelemetryログ統合の設定も可能です。
補足
opentelemetry.logs.levelの設定は、EMQXログハンドラーで設定されているデフォルトのログレベルにより上書きされます。例えば、OpenTelemetryのログレベルがinfoでも、EMQXのコンソールログレベルがerrorの場合、error以上のレベルのイベントのみがエクスポートされます。EMQXノードを起動します。
ダッシュボードからアクセス不能なHTTPサービスへのブリッジ作成など、EMQXのログイベントを発生させます。

数秒後(デフォルトは約1秒)、Otel CollectorにHTTPブリッジ接続失敗を示すEMQXログイベントが表示されるはずです。

ログ過負荷の管理
EMQXはログイベントを蓄積し、定期的にバッチでエクスポートします。
このエクスポート頻度はopentelemetry.logs.scheduled_delayパラメータで制御され、デフォルトは1秒です。
バッチングログハンドラーには過負荷保護機能があり、蓄積可能なイベント数の上限(デフォルト2048)を超えると新規ログイベントを破棄します。
この上限は以下の設定で変更可能です。
opentelemetry {
logs { max_queue_size = 2048 }
}max_queue_sizeの上限に達すると、現在のキューがエクスポートされるまで新しいログイベントは破棄されます。
補足
OpenTelemetryログの過負荷保護は、デフォルトのEMQXログハンドラーの過負荷保護とは独立して動作します。
そのため、設定によっては同じログイベントがOpenTelemetryハンドラーで破棄される一方、EMQXのデフォルトログハンドラーでは記録される、またはその逆のケースもあります。