シングルサインオン(SSO)概要
シングルサインオン(SSO)は、同じ認証サービスに関連付けられた複数の異なるアプリケーションやシステムに対して、ユーザーが1組のユーザー名とパスワードでアクセスできる認証サービスです。EMQX PlatformでSSOを有効にすると、ユーザーは企業アカウントの資格情報を使って、EMQX Platformのデプロイメントコンソールに便利にログインできます。
EMQX Platformは、OpenID Connect(OIDC)標準に基づいてSSO機能を実装しています。ユーザーが企業アカウントでシングルサインオンを行うと、EMQX Platformはアプリケーションサーバー(「リライイングパーティ(RP)」とも呼ばれます)として、認可されたアイデンティティプロバイダー(企業独自のアイデンティティ管理サーバー)からユーザーの基本的な識別情報を取得できます。これにより、ユーザーは企業アカウントを使ってワンクリックでEMQX Platformにログインできます。
主要な概念
シングルサインオン機能を利用する前に、以下の主要な概念を理解しておく必要があります。
- OpenIDプロバイダー(OP) または アイデンティティプロバイダー(IdP):認可されたアイデンティティプロバイダーまたは認可サーバー。代表的な企業向けIdPにはOktaやAzure Active Directory(AAD)があります。
- RP:リライイングパーティ。ユーザー認証をIdPに委託するアプリケーションサーバーやウェブサイトのことです。EMQX Platformはシングルサインオンサービスの提供者として、サービスプロバイダー(SP)とも呼ばれます。
- IDトークン:認証が成功した後、アイデンティティプロバイダーが返す識別子で、JWT形式の文字列です。ユーザーの基本情報を取得するために使用されます。
認可フロー
ユーザーがSSOを使ってEMQX Platformにログインする基本的なワークフローは、以下の図の通りです。

- ユーザーはウェブブラウザを使って、アプリケーションサーバーであるEMQX Platformにログインします。
- EMQX Platformは認証と認可のためにIdPへリダイレクトします。
- IdPは認可コードをブラウザに返し、ブラウザはそれをEMQX Platformにリダイレクトします。
- EMQX PlatformはIdPから提供されたコードを使ってIDトークンを取得し、IdPに対して検証を行います。
- IdPはIDトークンをEMQX Platformに返します。
- EMQX Platformはブラウザに認可を付与し、ログイン処理を完了します。
設定手順
SSO機能を有効にする前に、EMQX Platformと企業のIdP間で信頼関係を構築するためにOIDCの設定が必要です。一般的な手順は以下の通りです。
- 企業のIdPにEMQX Platformのメタデータ情報を設定します。
- 企業のIdPが生成したメタデータ情報を取得し、EMQX Platformに関連情報を入力してSSO設定を完了させます。
- 企業のIdPでユーザーを作成し、EMQX Platformアプリケーションへの認可を付与します。
- EMQX Platformで対応するサブアカウントを作成します。
- 専用のSSOログインURLを使ってログインを完了します。
設定例
以下のページでは、代表的な企業IdP(OktaおよびAzure AD)による認可を用いてSSOを有効化する設定例を紹介しています。