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BYOCデプロイメントの作成

EMQXプラットフォームのBring Your Own Cloud(BYOC)プランは、お客様自身のクラウドインフラストラクチャ上でデプロイメントを作成できるようにし、データをお客様の環境内に保持することを可能にします。このデプロイメントにより、データのセキュリティと管理が向上し、データ漏洩などのリスクを回避できます。さらに、EMQX BYOCデプロイメントは、さまざまなシナリオのニーズに応じたパフォーマンスとスケーラビリティの向上も提供します。本ページでは、BYOCデプロイメントの作成および利用方法について説明します。

前提条件

BYOCデプロイメントを作成する前に、対象のパブリッククラウドに対応したアカウントの準備、クラウドリソースの計画、EMQX BYOC製品ライセンスの申請が必要です。詳細はデプロイメントの前提条件をご参照ください。

デプロイメントの作成

  1. アカウントにログインし、EMQXプラットフォームコンソールにアクセスします。

  2. プロジェクトの新しいデプロイメントを開始するには、コンソールのホームページまたはデプロイメント一覧ページに移動し、+ New Deploymentをクリックします。

  3. Choose PlanBYOCを選択します。

  4. BYOCプランの設定をニーズに応じて構成します。

    BYOCSpecification

    クラウドプロバイダーおよびリージョンの設定

    • Choose Cloud PlatformAWSまたはGoogle Cloudを選択します。

      他のクラウドプラットフォームでのデプロイを希望する場合は、チケットまたはメールでお問い合わせください。

    • Choose Region:デプロイするリージョンを選択します。

      他のリージョンでのデプロイを希望する場合は、チケットまたはメールでお問い合わせください。

    設定(EMQXクラスター用)

    TIP

    最大セッション数は、申請したEMQX BYOCライセンスに記載された数と一致させる必要があります。デプロイ完了後にセッション数の上限を変更する場合は、チケットでお問い合わせください。

    • Sessions Limit:任意の時点で接続可能なMQTTデバイスの最大同時セッション数を指定します。

    • Pub&Sub TPS:送受信されるメッセージの最大トランザクション数(TPS)を指定します。

    • EMQX Node Instance TypeSessions LimitおよびPub&Sub TPSに基づいて自動選択されます。実際のビジネスニーズに応じてインスタンスタイプを変更することも可能です。

    • EMQX Node QuantitySessions LimitおよびPub&Sub TPSに基づいて自動入力されます。実際のビジネスニーズに応じてノード数(2〜5ノード)を変更可能です。

    • VPC CIDR Block:仮想プライベートクラウド(VPC)作成に使用するプライベートIPアドレス範囲を選択します。

    デプロイメント名とプロジェクト

    • Deployment Name:業務上意味のあるデプロイメント名を入力します。
    • Project:適切なプロジェクトを選択します。

    タグ(任意):リソース管理のために最大10個までクラウドリソースタグを追加可能です。

  5. 右側のNew Deployボタンをクリックしてデプロイメントを開始します。この段階でEMQXプラットフォームサービス契約の確認と同意を求められます。内容をよく読み、同意した上で進めてください。

  6. 同意するとデプロイメント概要ページにリダイレクトされます。

次に、デプロイメントの実行セクションの手順に従ってデプロイを開始できます。

デプロイメントの実行

デプロイメント概要ページでは、ステータスがWaiting for Deploymentとなっているはずです。この時点ではConnection Informationにデプロイメントの詳細は表示されません。Start Deploymentボタンをクリックすると、Deployment Guideサイドバーが表示され、デプロイ手順を案内します。以下の手順に従ってデプロイを完了させることも可能です。

以下の手順は、パブリックネットワーク接続が可能なUbuntu 20.04(AMD64)環境でのデプロイ完了方法を示しています。開始前に、TLS/SSL証明書およびBYOCライセンスファイルをUbuntu環境のディレクトリにコピーしてください。

DNSレコードの追加

デプロイメントリソースが作成されると、システムは以下の情報を返します。返されたIPアドレスを基に、DNSサービスにドメイン名解決レコードを追加し、デプロイされたパブリックIPアドレスをドメイン名に紐付けます。DNSやドメイン名解決の基本概念についてはDNSの概念を参照してください。

bash
Apply complete! Resources: 45 added, 0 changed, 0 destroyed.

Outputs:

cloud_register_data = <sensitive>
jwt_token = <sensitive>
lb_address = "<Your Deployment IP>"
password = "<EMQX Dashboard Password>"
username = "<EMQX Dashboard Username>"
vpc_id = "vpc-bp1n1dwiv2srgkgle4rlu"
*****************************
You need add a record to your DNS service provider.
IP address: 112.124.9.12
Domain: <Your Custom Domain>
*****************************
Checking if <Your Custom Domain> is resolved to the 112.124.9.12 of the load balancer

クラウドプラットフォームが提供するDNS解決サービスや他のマネージドDNSプロバイダーを利用可能です。例えばGoogle Cloud PlatformのCloud DNSを利用する場合は、以下の手順を参照してください:レコードの追加、変更、削除 | Cloud DNS | Google Cloud

DNSレコードが有効になると、システムはHTTPS listener is readyを返します。

bash
HTTPS listener is ready

デプロイメントの完了

ドメイン名解決が完了すると、Ubuntuのコマンドラインに以下のように表示され、デプロイメントが成功したことを示します。

bash
Deployment successful! Here is the service information:
--------------------------------------------------------
EMQX service connection address: <Your Custom Doamin>
EMQX Dashboard address: https://<Your Custom Doamin>:18084
EMQX Dashboard username: <EMQX Dashboard Username>
EMQX Dashboard password: <EMQX Dashboard Password>
You can log in to the EMQX Platform Console(https://cloud.emqx.com/console) to manage your deployment.
--------------------------------------------------------
Thank you for choosing our service. Happy IoT!

EMQXダッシュボードのユーザー名とパスワードは、管理コンソールへのログインおよびクラスター管理に使用するため、安全に保管してください。この情報は今後再表示されません。

デプロイメント情報の確認

デプロイメント概要ページに戻り、ページを更新するとリアルタイムのステータスおよび接続情報を取得できます。

byoc

リアルタイムステータス:

  • Deployment Name:デプロイメント名。クラウドリソースのプレフィックスにもなり、パブリッククラウドコンソールでの検索が容易になります。
  • Instance Status:稼働状況と作成日時。
  • Sessions:現在の接続数と最大許容数。
  • Pub&Sub TPS:デプロイメント内での1秒あたりの送受信メッセージ数とTPS制限。

接続情報:

  • Address:デプロイ時にユーザーが指定したドメイン名。
  • Connection Ports:デフォルトでMQTTプロトコルアクセス用に1883(mqtt)、8883(mqtts)、8083(ws)、8084(wss)が開放されています。ダッシュボードログイン用に18084(https)、REST APIアクセス用に8443(https)が使用されます。

ポートのカスタマイズを希望される場合は、サポートチケットまたはメール(cloud-support@emqx.io)でお問い合わせください。

ライセンス情報:

基本的なライセンス情報と有効期限が含まれます。詳細はBYOCライセンスをご参照ください。

高度なネットワーク設定

VPCピアリング設定

仮想プライベートクラウド(VPC)ピアリングは、異なるネットワークにある2つのVPC間で通信を可能にするネットワーク接続です。この機能はクラウドサービスプロバイダーが提供し、BYOCがデプロイされたVPCと同じクラウドサービスプロバイダー内の他のVPC間でのピアリング接続をサポートします。VPCピアリングの設定については、各パブリッククラウドのドキュメントを参照してください:Working with VPC Peering - Amazon Web ServiceVPC Network Peering - Google Cloud

NATゲートウェイ設定

パブリッククラウドプラットフォームが提供するNATゲートウェイは、ネットワークアドレス変換サービスを提供し、BYOCデプロイメントがVPCピアリング接続なしでパブリックネットワークリソースにアクセスできるようにします。BYOCがデプロイされたVPCにNATゲートウェイを追加可能です。詳細は各パブリッククラウドのNATゲートウェイドキュメントを参照してください:NAT Gateways - Amazon Web ServiceCloud NAT - Google Cloud

デプロイメントへの接続

任意のMQTTクライアントツールを使用してデプロイメントに接続し、テストできます。推奨ツールはMQTTXです。