PSK認証
Pre-Shared Key(PSK)認証は、事前に共有されたキーを用いて本人確認を行う認証方式です。PSK認証方式では、クライアントとEMQXの両者がセキュアな接続を確立する前に同じキーを事前共有している必要があります。この事前共有キーは、クライアントとEMQX間のTLS接続の確立およびその後の通信においてデータの暗号化と復号に使用されます。PSK認証を有効にすることで、クライアントとEMQXは証明書や証明書機関を必要とせずに相互認証を行い、安全な接続を確立できます。
本ページでは、EMQXでPSK認証を有効にする方法を紹介します。
任意のディレクトリに
data/psk_file.txt
ファイルを作成し、事前共有キーのIDと秘密値を記述します。TIP
秘密値は任意の文字列で構いませんが、長さは選択した暗号スイートに対応している必要があります。例えば、暗号スイートが
TLS_PSK_WITH_AES_128_CBC_SHA
の場合、秘密値は128ビットの長さでなければなりません。bash# 1行につき1データ、フォーマットは PSKIdentity:SharedSecret emqx_c:BA0DB2A3448345A3A13A91C2ADA44778 emqx_a:A6FC9EDF62864125AAE7658BEAE6170C
設定ファイルに
psk_authentication
設定グループを追加します。bashpsk_authentication { enable = true init_file = "data/psk_file.txt" }
設定ファイルでSSLリスナーを設定します。
listeners.ssl.default
グループを修正し、以下のオプションを追加してください。ssl_options.versions
:tlsv1.3
のサポートを削除します。tlsv1.3
はPSK暗号スイートを抑制するためです。ssl_options.ciphers
:PSK暗号スイートを使用するよう設定します。
TIP
RSA-PSK
暗号スイートを使用する場合は、RSA
証明書が依然として必要です。詳細は RFC4279 を参照してください。bashlisteners.ssl.default { acceptors = 4 bind = 8883 ssl_options { ciphers = ["RSA-PSK-AES256-GCM-SHA384","RSA-PSK-AES256-CBC-SHA384","RSA-PSK-AES128-GCM-SHA256","RSA-PSK-AES128-CBC-SHA256","RSA-PSK-AES256-CBC-SHA","RSA-PSK-AES128-CBC-SHA"] versions = ["tlsv1.2", "tlsv1.1", "tlsv1"] } }